2007年5月19日土曜日

新人教育の難しさ

本人は学生気分を断ち切るための儀式(ITmedia:"新人の“リセットボタン”を押せ")と思っていても、傍目にはしっかりとパワーハラスメント(はてなブログ:"新人教育は管理職のオナニーの場所じゃないんだが。")として映ってしまうこともあります。個人的にも、ITmediaの話はパワハラだと思うわけですが、新人教育の際には新人を教える立場にある人が偉そうな態度を取りがちです。とは言え、人は皆平等。偉い台詞も、仕事が出来るだの出来ないだのといったようなことや、社会の常識云々といった台詞も吐くべきではないです。むしろ、そういう言葉を言えば言うほど自分の立場がもろくなると思います。何故なら、仕事が出来るできない等といったことは、学校の勉強が出来る出来ないといったレベルのようなもので、それが将来の成功を決める決定的な要素ではないからです。始めはのろまな奴でも、最後には経営者に伸し上がった例等腐るほどあります。なので、余計なことはいわない方が無難です。常識云々にしてもそうです。ビジネスの世界では明日の常識が生まれ変わるのが普通なのに、今日の常識をいちいち強く押し付けても仕方ありません。幅広い視点を受け止め、自由に議論し合える環境こそ築き上げるべきものです。立場を気にせず、自由に自分の意見が言える環境を作ろうと努力しないのであれば「こんなこと言ったらクビにされるかな?給料減らされるかな?危ない橋を渡ることもないな、黙っていよう。」と考え、誰も積極的に考え、発言しようとはしなくなります。そんな社員で溢れている会社は市場から消えていきます。

社員に対しては自分と全く同じ平等な人間であり、それぞれがお互いの意見を尊敬し合い、ともにビジネスを作り上げていく存在であると、お互いに認識して接する必要があります。

「こいつはどうせだめなやつなんだろう。」と心に少しでも思っているのであれば、周りの人間に失礼ですので、今すぐにでも辞めるべきでしょう。逆に「誰にでも優れた能力がある。さあ、今日もその能力をお互いに引き出し合えるように仕事に励もう。」と思っているのなら、その未来は明るいといえます。そして、そのように考えて人と接すれば、それだけで良い影響が企業全体に広がっていきます。働くことが楽しくなり、生産性は自ずと向上し、また長時間働いても全然疲れなくなります。

企業を作るのは人なのです。とびっきり優秀な人を作るためには、その人がとびっきり優秀な人であるとして接することです。素晴らしいホテルで、素晴らしいお客様として接されることにより徐々に背筋は伸び、その雰囲気に溶け込む洗練された人間へと成長します。企業の文化を築き上げるには、すべての社員が強く必要とされ、その意見が尊重されていると実感出来る環境を作り上げることです。そのための最初のステップが、お互いがお互いを最高の人材として行動することを期待し合うことです。これは単純にして最も効果のある方法の一つと言えるでしょう。

逆に結果を出さないと認めてやらん!などというのはもってのほかです。人間の欲求は周囲からの必要とされる認識が満たされてこそ、始めて世の為に、すなわち会社(の仲間達)のために尽くそうという欲求が生まれるのです。会社のために尽くしたら、認めてやるというのでは本来の生存欲求の順番から言ったらあべこべです。不自然を強要するよりも、自然な流れを強く押し進めた方が勢いも大きいですし、驚くほど簡単に上手く行くものです。

なので、原始的な工業時代やバブル期の力関係による下らない態度はさっさとやめて、日々進化するマネッジメントのスキルに磨きをかけてはいかがでしょうか?




コーチング・バイブル―人がよりよく生きるための新しいコミュニケーション手法

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