2008年10月9日木曜日

銀行から借りれない恐怖

中小企業の経営者は銀行から借りれない恐怖と言うのを強く実感していると思いますが、一般的サラリーマンの人々にはなんのこっちゃ?な話ですので、何故資金調達がヤバイかについて簡単に書いてみます。


給与は給与日に支払われる

会社勤めの人は、給料日になると銀行に給与が振り込まれます。例えば毎月10日とか20日とか月末とかに振り込まれると思いますが、殆どの場合、前の付きの終わりに締めて、次の月の給与日に振込であると思います。


しかし、会社の利益は給与日には入ってこない

一方で企業の利益と言うのは2、3ヶ月遅れて入ってくるものです。例えば今月契約を結んだ顧客からの契約に対する支払いは、実際には3ヶ月後だったりします。小売業だとよく掛で仕入れると言った話がありますが、これは商品を先に貰い、その商品の代金は2、3ヶ月後に支払いますよと言う約束をもとに商品を仕入れていると言うことです。なので、商品を卸した業者の人は、その代金を貰うのに2、3ヶ月待たなくてはなりません。とはいえ、従業員に対する明日の給料日の支払いは待ってはくれないわけで、もし手持ちの現金が十分に無い場合は、取引先の会社からお金が振り込まれてくるまでは、銀行などにお金を借りて遣り繰りすることとなります。銀行は数ヶ月後に掛で売られた品物の代金が回収出来ることを見越して、その会社との実績に応じた額の金額を融資すると言う流れになります。


そして世界は経済危機に突入

普段の支払いに困らない程度に資金が確保された企業であれば問題はないのですが、中には上記の例であげたように、支払いが入ってこない間は借金で賄わなければならない企業もチラホラあるわけです。そんな会社に対して銀行が『経済危機ですので、お金は貸せませんよ。』と言い出したらどうなるでしょうか?会社はお金を払うことが出来ないので、倒産するしかありません。例え売上が黒字でも、資金繰りが上手く行かなくて潰れてしまったというような話があるのはこのためです。

上記は単純な例ですが、企業を動かす上では何かとお金の遣り繰りが重要になって来ます。手軽に借りれて、急場を凌げているうちはよいのですが、いざって時にお金が借りれなくなると、大丈夫な状態も大丈夫でなくなるので、偉いこっちゃなわけです。

そして、仮に企業に勤めている人が『ごめん、銀行から融資が取れなかったから、今月は給料で無いよ』と言われた時に、その人自身が住宅ローンの支払いを返済出来なかったらどうなるでしょうか?住んでいる家が銀行によって差し押さえられることとなり、家無しになります。さらに会社が融資が上手く取れずに潰れたら、職無しの家無しになります。しかも借金が残されます。最悪ですね。

世界経済がこのまま破綻に向かうと、多くの企業が潰れ、それが個人個人に重く圧し掛かって来ることになります。そうなると、国家は困ることになるわけで、だからこそ早めの対策が必要となるわけです。

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