今週は結構読書量が多い。多分7冊くらい読んでいる。主にサービスに関する本がメインなのですが、その中でも旅館なのに面白いと思ったのが加賀屋。加賀屋は「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」で、29年間総合一位を獲得している石川県和倉温泉宿だそうで、そのおもてなしの高さが非常に良いとかで。
本の出だしに加賀屋を訪れた人からの手紙が数多く紹介され、その数多くある感動のエピソードに、実際に加賀屋を利用した人々の滞在がどれほど素晴らしいものだったのかが分かるようになっており、何やら凄そうだというのが分かる。自分はリッツ・カールトン贔屓なので、和のサービスってどれほど凄いんだろうなぁ?と疑問に思っていたのだけれど、本を読み進めていくうちに従業員を大切にする姿勢とか、お客様へ「No」と言わない、「できません」「ありません」と言わないサービスを提供するなどとあり、加賀屋がますますリッツ・カールトン状態に見えてきた。
加賀屋では客室でおもてなしをする女性陣のサポートのため旅館内に託児所を備え、女で一人で子供を育てている女性でも安心して働ける環境を作っている。また、経営者や会長、女将に至るまでトップの人々が従業員一人一人の状態を細かく観察し、相談や問題解決に積極的に動いている。末端の人間に対してもきちんと話し合いを行う時間をトップがとることで、大切にされていると感じるし、自分の意見が反映されるので会社が自分の一部であるように感じるようになる。離職率が低くなるため、何度も頻繁に利用してくださる常連さんには、それだけ長く勤めて来た従業員により、よりきめ細かいサービスの提供へと繋がっていく。
お客様のご要望に対して「できません」といわない姿勢も見事で、例えばお客様が飲みたいと言われた酒が無い場合、それを買いにタクシーで片道3時間かけて行くことも厭わない。もちろんその日の食事には間に合わないが、お客さんは実際に買って来たお酒を目にした時にどれだけ感動することになるかは、まあ推して知るべしと言ったところ。
お客様の会話の中で宿泊の目的が誕生日や結婚記念日、喜寿や米寿のお祝いといったことが分かれば、素早くケーキや祝い膳、鯛などを焼いてサービスで出し、もちろん追加料金は頂かないといったことなど、至れりつくせりなサービス。そしてそれをサポートする調理場も凄い。
旅館に常備されている浴衣は5cm単位でサイズが準備され、お客様が到着されてから部屋に案内するまでの間に、担当の係りの方が目測でサイズを見極め、そのお客様一人一人に合わせた浴衣が部屋に提供される。なので、誰が泊まってもベストなサイズの浴衣に着替えることが出来る。サイズが合わないと落ち着かないものだけれど、そうした心配が一切無用となる。
何かと企業のあり方がリッツ・カールトンに似ているなぁ、と思ったけれど、本を読み進めていくうちに、毎年社員を何人かアメリカの有名ホテルに10日間程宿泊させ研修させると書いてあった。そしてその日程の中で何日かはリッツ・カールトンに宿泊し、そこでリッツ・カールトンのサービスや仕組みについて研修を受けているそうで、それが生きているからこそ、自分が色々似ているなと感じた理由が明らかになった次第。
そんなこんなで色々と気になる加賀屋ですが、場所が遠いこともあって、ちょっと宿泊は考えちゃいますね。金沢の友人が試しに泊まって来てレポート書いてくれないかな?と期待しつつ、本を紹介してみます。
加賀屋の流儀 極上のおもてなしとは
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