2010年4月10日土曜日

食に関する日本人の特殊な体質

読売新聞のニュースより。これによると通常消化できないとされる食べ物も、日本人の場合、腸内細菌によって分解して栄養として吸収可能なようだ。欧米人よりも腸が長く、菜食向きの体と言われる日本人の場合、ベジタリアンに危惧される必須栄養素が取れないと言う研究も当てはまらない可能性があるのでは?と思う次第。最適な食生活とはなんぞや?という謎が尽きない。

 寒天の原料のテングサやノリなどの海藻(紅藻類)は人間の消化酵素で分解できないため、ダイエット食品としても使われているが、日本人の一部は腸内細菌の力を借りて、紅藻類を分解して栄養分にしていることが仏パリ大学の研究で分かった。北米では、こうした腸内細菌を持っている人は見つからず、食習慣の違いが影響しているらしい。8日付の英科学誌ネイチャーに発表する。

 研究チームは、紅藻類を分解する酵素を海洋の微生物から発見。公開されている遺伝子のデータベースを調べたところ、この酵素の遺伝子を持つ陸上の微生物はいなかったが、日本人の腸内細菌から見つかった。

 日本人では13人中5人がこうした腸内細菌を持っていたが、北米の18人で持っている人はいなかった。日本人は古くからノリなどをよく食べており、腸内細菌は、ノリなどと一緒に口に入った微生物から紅藻類を分解する遺伝子を取り込んだらしい。

 東京大学の服部正平教授(情報生命科学)は「腸内細菌は健康や病気に影響を与えている。解析が進めばコンニャクを分解する腸内細菌なども見つかり、食品の機能評価も変わるかもしれない」と話している。

2 件のコメント:

KAN-CHAN さんのコメント...

「生物と無生物のあいだ」という本の中で、生命維持に必要な特定のたんぱく質を生成するためのDNAを欠落させたマウス(ノックアウトマウス)は、そのたんぱく質を体内で作れないのだから死ぬはずなのに、なぜか死なない、とあった。

生命って不思議。

dkc さんのコメント...

Michael Chrichtonのジュラシックパークで、生物は何らかの方法で生き残る道を探し出す的なことをカオス理論を交えてストーリーにしていたけど、それと近いことを人間もしているように思えますなぁ。。。

アフリカの方では既にHIVに耐性ついてる人が生まれ始めているような。