2009年5月20日水曜日

不動産購入の損得勘定(感情)

最近家の近く(都内)で数軒分譲マンションを売っている場所があったので、そこを何軒か下見した感想:マンションは買っても基本損して終わる。

自分にとってお得度ランキング。

1、1%台のローンで買って貸す。
2、1%台のローンで買って住む。
3、賃貸で借りて住む。
4、3%台のローンで買って住む。(現状のフラット35)

こんな感じ。

1と2については変動金利で今は約1%とかでお金が借りれるのでお得感が強い。また、マンションも当初の販売予定価格よりも1000万円程度値引いていたりと、以前より安くなっている。以前億ションが立っていた場所でも7000万円とか(とはいえ、この話だけで購入がリスクに思えるのだが)。ただ、落とし穴があり、変動金利は将来高くなるか低くなるかする可能性がある。高くなった場合は、支払いも高くなり、賃貸とあまり月々の支払いが変わらない状態となる。じゃあ、固定金利(フラット35で約3%)で、、、と考えると、この値段は賃貸で借りて住むのと大差ないか、土地資産税やその他の維持費等を考えると、何かと高くつく。ちなみに、銀行の住宅ローンは買った後、そこに住むのが目的であることが大前提であって、そのまま貸すのを目的にローンを申し込むのはアウト。なので、買ってすぐに賃貸に出すとなんだかグレーです。


さて、近くで売っていた分譲マンションの2LDK(55平方メートル)の例で見ると、上記例の1〜4は以下のような感じになる。

1:14.5万円
2:14.5万円
3:17.1万円
4:20万円

1の場合は人に貸すので17.1 - 14.5で2.6万円の儲けがある。後は礼金やら更新費などで、多少の稼ぎが生じるが、それらの儲けは経年劣化の故障や器具の取り替えに取っておいた方が良いかと。誰かが借り続けてくれる限り、損無く不動産が手に入る。といっても35年ローン。前倒しして返済しない限りは最後には築35年のマンションと言うことになり、そんなの借りる奴いるのか?という不安が残る。

2の場合は、金利が安いと賃貸(3の金額)よりもお得感があることが分かる値段。後は維持費がどうなっていくかで決まる。しかし、30歳でマンションを購入すると、35年ローンが払い終わるまでに住んでいる場所が築35年のマンションになっているってことで、そこから先、死ぬまでそのマンションが立ち続ける保障はない。というか、人の寿命よりも先に建物の寿命が来そうだ。

3の場合は賃貸なので、水道が壊れたとかいうトラブルは全部家主負担でカバー出来、自分の生活状況が変わったらいつでも移ることが出来る自由さがある。不動産は所有出来ないが、かといって住むのをやめれば毎月の支払いからは解放される。

4の場合は、高いお金を払って不動産を所有することとなる。3の例の賃貸との差額が3万円とすると、毎月3万円 x 12ヶ月 x 35年ローンで1260万円の違いが生じる。頭金を多めに入れればちょっと変わって来るが、それくらい貯金が出来る稼ぎがあると、もっと高い物件を買ってそうなものだ。

それに1000万円程度あれば利回りの良い外国債に投資すると月に3〜7万お金が入って来る計算になる。固めに見て月4万円とすると、3000万円持っている人は月に12万円、5000万円持っている人は黙っていても月に20万円お金が入って来る計算になり、下手に不動産のローンを組んでそれらの金額を建物に買えてしまうよりも何かと良いと思う。不動産はいらなくなった時にすぐに売れるとは限らないし、殆どの場合は値下がりもするが、債券はあまり元本が割れることは少ない(為替損益とか、考慮すべきことは何点かあるけれど)。

そんなわけで、若い時には不動産は手を出さず金融資産で持っていて、そこからの利益で老後の安定に回した方が良いだろう。都内と違って田舎に行けば5〜7万円で3LDKとかが借りれてしまうのだから。これに中古の車を買ってくれば、まず生活には困らない。

よって若いうちは夫婦で頑張ってお金を貯めることに専念し、40〜50歳くらいで5000万円以上のお金を貯め、さっさと物価の安い田舎に引っ越して引退してしまえば良いと思う。子供も自立しているか、いない場合だったら、2LDKとかでも十分だし、家賃も3〜5万円とお得だ。

歴史的にも平均的な日本人は30〜40代で家を買い、きちんと退職前にローンを払い終えることが出来るのだから、そのお金を無駄金にせずに、活かす方法を考えた方が良いんじゃないかな?と思うわけで、利益にならない不動産を買う気にはならないと個人的には思っている。

自分の家がどうしても欲しいって人は買えば良いと思うけど、単なる高い買い物にしか見えないって視点を持っている人はいるってことで。

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