アメリカの良いところって、働くという部分を応援しているところにあると思うし、また、みんなバラバラで好き勝手にやっているように見えて、意外とコミュニティとしての人々の係わり合いが出来ている文化を持っているところなのだな。でも、日本にいるとそういうところって見えてこなし、それが残念なことのように思う。
コミュニティ形成を支える宗教
多くのアメリカ人は日曜日に教会に行く。子供も若いうちは行く。高校生くらいになると激減するが、少しはいる。教会では通常の祈りと神父の説法みたいな話が終わると、天気が良ければ外に出て、みんなで無料のコーヒーやクッキー(これは料理好きの人が作って来たりする)を楽しみながら世間話に花が咲く。そうすると、必然的にそこに集まっている人の顔を覚えたり、誰がどんな仕事をしているか分かるようになる。で、これが凄く便利。何故かと言うと、どこぞの会社の社長さんもいれば、銀行に勤めている人もいる。自分がこんなことしたいんだけど、って話を振れば、ビジネスプランのどこが悪いとか、銀行で融資を受けるためには何が必要かといったことを、無料でアドバイスゲット出来る。そして、顔見知り同士なら、ビジネスもやりやすい。でもって、高校生くらいの人がいるお家の方と知り合いになれば、その人の子供に自分の子供のベビーシッターを頼みやすい。
こうした人の輪が作り上げるコミュニティ文化が、アメリカの強いところだと思う。
起業家歓迎
アメリカの子供は早くして働くことでお金が得られることを学ぶ。
・休日の芝刈り $5
・お父さんの車の洗車 $3
・新聞配達 $30
金が欲しけりゃ働け、という風土が出来ている。世界で一番の金持ちになった天才投資家のウォーレン・バフェット氏(Forbes記事参照)も小さい頃はコーラを仕入れて、仕入れ値に20セント上乗せして販売したり、新聞配達に精を出してお金を稼いだそうだ。新聞配達はあまりにも上手くやりすぎて代理店のような状態になり、高校に入った頃には担任の教師よりも収入が多かったとかで。
ビル・ゲイツ氏も政治キャンペーンで使われたステッカーを無料で集めて来て、雑誌に「これは歴史的な価値を持ちますよ」と広告を出して売ったり、学生ながらにコンピュータのプログラムを色々作って売ったりし、後のマイクロソフトに繋がるビジネスに必要な経験を積んで行った。
他にも多く見られる子供の起業家は、レモネードを作って売ったり、自分のおもちゃなどをガレージセールして売り払い、新しい玩具を買うお金を手に入れたりと、とにかく色々ある。
例をあげれば切がないが、アメリカは子供の頃から働くことを周りが奨励している。日本で同じようなことをやろうとすると、大人は金は汚い物だというような形で止めようとする。小学生くらいになると、自分の若い頃はビックリマンのシールとかカードダスとかいうカードを取引したりしたものだが、先生に見つかると商品であるシールやカードが取り上げられてしまった。で、金の取引はしちゃいけない云々説教をされるのだが、そんなことを小さい子供に言い聞かせると、ビジネス精神は育つどころか潰されることになってしまい、社会的によろしくない。というか、取り上げられたこちらの資産であるシールやカードを返却しない状態に至っては、れっきとした窃盗である。利息付で返していただきたいものだ。
話を元に戻すと、アメリカは金を稼ぐことを奨励する。でも、日本は奨励しない。それどころか金は汚い物と言ったイメージを植えつけ、遠ざけようとする。これではやる気は育たない。どうにかして欲しいものだ。
働くことが奨励されていれば、こんな仕事をやりますと学生達が言ってきても、大人達的にはそれを奨励する立場にいるので、需要と供給の市場原理さえ合えば、それらのビジネスが成立することになる。ベビーシッターをかって出る人がいれば、自分の子供を必要に応じて預けようという敷居が下がることとなる。近所の知り合いの子や、教会などで毎週顔を合わせている人の子供だったりすれば、なおさら話は早い。
社会が人を作るのか、人が社会を作るのか
こうした社会的風土が起業家精神を育て、アメリカの力となっているんだろうなぁと感心すると共に、日本でも起業家を育てる風土がもう少し進んでもいいんじゃねーの?と強く思うのだ。できればもうちょっと、コミュニティ文化が生れる風土が合っても良いと思うのだけど、他人のために奉仕するっていう精神はアメリカの方が強かったりするのだな。
江戸時代の『働く』は「傍を楽にするための作業」という意味合いはどこにいったことやら。気が付くとみんな自分のことしか考えていないような生き方になっているのでした。
(・A・)イクナイ!!
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