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宿は飯坂温泉の川沿いに密集する住宅地の奥の方にあります。宿に物凄く近づいても、どこに宿があるのかまるで分かりません。また、川沿いの道は、車一台がやっと通れる程の広さしかなく、本当に道は合っているのだろうか?という不安が募ります。カーナビを使っても確実に迷えると思います。
なんとか宿はこちらです、という案内看板を見つけて奥に進むと、そこは急に見知らぬ別世界な空間へと変化します。
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打ち水された宿の正面に車を停めると、宿の人々が出迎えてくれます。荷物を下ろしてもらい、宿の奥へと案内されます。入口に入ると着物姿の宿の人々が数人挨拶してお出迎え。自分がモノ凄いVIP対応をされているかのような気分です。
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こちらが入口よりすぐの間の画像。宿の名前にもなっているカワセミの絵が書いてあります。
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奥に通されますと、中庭に面したロビーがあります。
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こちらでお茶菓子と抹茶が振舞われ、チェックインとなります。通常、お出迎えから、宿に足を踏み入れ、ここまで案内されるまでの雰囲気にあっさりとやられます。既に十分お金を払って体験したいだけの気分は味わっているかな、と。そんなところにジーンズにTシャツと無精髭で行く自分もなんですが。
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部屋に案内されると、誕生日記念の宿泊とあってか、一番良い部屋にアップグレードされておりました。かなり恐縮です。離れの特室の部屋なのですが、別のお庭の景色がお出迎え。部屋には専用の露天風呂も付いており、至れり尽くせりです。そして、広い。持て余すくらい広い。
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中央ロビーから離へ続く廊下にも、中庭に面する素晴らしい風景があります。
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自分が泊まる部屋は2Fだったのですが、こちらも通路が何だかカッコいい。
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温泉は他の高級旅館と同様に、フェイスタオルやバスタオル等は全て大浴場に準備されております。安い温泉宿ですと、部屋に備え付けのタオルを滞在中に使いまわすことになりますが、こちらはタオルは山ほど準備されておりますので、いつでも風呂上りは快適なバスタオルが使えます。また、スリッパも部屋専用のものが準備されておりますので、他の客室の人々と混じってしまい、妙に気持ち悪い思いをすることもありません。快適です。
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大浴場のそばにはラウンジが準備され、こちらには飲み物と雑誌が用意されております。お風呂上がりを待つ間、ジュースやお茶で喉を潤しつつ、まだお風呂から上がってこない家族を快適に待つことが可能となっております。あ、飲み物は無料です。
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家庭画報とか、年齢と年収が高そうな人が読みそうな雑誌が並んでいます。
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料理についてですが、基本的に薄味で素材の良さを楽しめるように作られております。自分はベジタリアンだったので、何かと松茸尽くしな夜でした。ダルビッシュが松茸食べたとTwitterで発言し、どこぞのオッサンがやっかみで説教したら逆に叩かれたなんて話がタイムリーにありましたが、時を同じくして自分も食べてました。はいはい、ごめんね〜。
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ベジタリアンではない人のメインはワタリガニでございます。見た目がゴージャス。
少量ずつ出てくるはずの懐石とはいえ何かと量が多いので、うちの嫁などはこちらのメインに辿り着く前にかなりお腹いっぱいで、メインの味が楽しめないほどになっておりました。食材も贅沢なものが次から次へと出るので、誕生日の主賓であるうちの祖母や家族も、みんな大満足の内容でした。素晴らしい。
そして温泉もとても心地良く、また客室数が少ないので他のお客さんを目にする機会も少なく、とてもプライベート感が溢れて快適に過ごせる宿なのでした。以前、こちらのブログでは宮城県は松島にある旅館:松庵をオススメしておりましたが、『御宿かわせみ』も松庵と並ぶ素晴らしい旅館となりました。
祖母からは誕生日に素晴らしい思い出が作れてとても良かったとの言葉も頂いたので、自分もなんだか頑張った甲斐があったなと報われる気持ちになりました。家族と満足する時間を過ごせる温泉宿として、そして非日常的な別格の癒しの温泉宿として:『御宿かわせみ』、最高にオススメの旅館の一つです。
なお、御予約には一休.comのサイトが何かと割安プランも掲載されており便利だったりします。こちらのブログを御覧の皆様も福島へおいでの際には、ぜひ。
日本のホテル・旅館100選&和風の宿 2010年
家庭画報 2010年 08月号