最近、保険料が全額戻ってくる保険がCMで話題になっているそうです。
アリコでやっているそうですが、60歳まで払い込みで、そこから入院等で払った費用を除いて、掛金が全額戻ってくるそうで。仕組みとしては毎月払う掛金に資産運用に回すお金を含んでいて、それを保険会社の方で運用して、その利益で掛金を補填しているといものです。ちなみに、運用利回りは2%もあれば良いので、アメリカの会社であるアリコ的には、アメリカの債券に投資するだけで4〜5%の利回りを得ているわけですから、消費者を食い物にしているようなもんですね。
ついでに言えば、保障内容も低いです。
入院日額8000円(1入院60日まで通算730日)。
手術80000円。
死亡80万円
です。はっきり言えば、もしあなたの貯金が56万円(8000円 x 60日 + 8万円)以上あれば、こんな糞保険入る意味ありません。
今の日本人で1入院60日の保障等、よっぽどの高度先進医療を受けない限り、自腹で払えない人なんていませんし、一入院60日ということは、同じ病気で再入院しても、その最初の退院日と再入院日の間に180日以上経っていない場合は同一の入院と見なされ、両方合わせて60日分の保障しか補償されないのです。なので、最大で56万円しか補償されないのです。なら、56万円の貯金があれば、こんな保険に毎月1万円以上も取られるなんて、お金をドブに捨てるのと一緒です。
同じ1万円を毎月貯蓄できるなら、オーストラリアドルやニュージーランドドルのMMFに投資した方が良いでしょう。利回りは5%程ですし、同じように30年間運用すれば832万円程になります。普通に貯金しただけでは360万円にしかなりません。
ということは、アリコのような保険会社は消費者から集めたお金で832 - 360 = 472万円も儲けているってことになります。
あなたが正常な頭の持ち主なら、こんな自分の500万円近い利益を奪っていくような糞保険に入るとは思いません。
余談
実はバブル期には日本の保険会社もこのような掛金が全額、時にはそれ以上、戻ってくる保険というのがありました。簡保の死亡保険等は、掛金を100万円程しか払わないのに、死亡保障500万円が一生ついてくるというとんでもない保障がありました。100万円振り込めば500万円くれるというのです。消費者的には嬉しい限りですが、企業を運営する上では馬鹿げてます。
そしてバブルが崩壊し、金融市場はどん底まで落ち、保険会社がどうなったのかはみなさんのご存知の通り。高利回りを唱った上記のような保障が足を引っ張り、利益率はマイナスになって、どうにもいかなくなり大量の不払いを起こす結果となりました。最悪ですね。
アメリカも現在サブプライムローンといわれるサラ金のような住宅ローンで不動産を購入したアメリカの人々が、不動産バブル崩壊とともに大量の不良債権を出し、金融市場にちょっとした混乱を起こしていますが、はて、昔日本でも似たような話を聞いたような?って状態になってます。
自分の資産は自分で守りましょう。
0 件のコメント:
コメントを投稿