2007年6月8日金曜日

感情労働の時代:お客様は神様なわけねーだろ!!

「感情労働」時代の過酷:AERA記事

お客様は神様です、という考え方があまりにも定着し過ぎちゃって、今の日本人は図に乗り過ぎてて、もうキチガイレベルにまでなってんじゃないでしょうか?というお話。確かに、仕事をしていてクレーマーな人に出会うと、なんじゃこの生き物は?と少し自分が別の場所にいるような気分にさせられることがある。

そんな時に強く実感するのは相手の幼稚さでもあるわけですが、まあ、IT系の仕事をしていると、そういう細かいところに対して突っ込める視点、と言うか物の考え方も仕事においては重要だよね、という認識はあるのですが、人間関係にまで持って来られると、時として「空気読めない人」化するので、社会の集団におけるコミュニケーション的にどうよ?と思ってしまいます。

たとえ正論でも、それを大声でまくしたてている人は、端から見ても周りから支持を得られる存在ではありません。どこかのお店で、買った商品が初期不良で動かない。なんてふざけた店だ!と大声で文句を言っている人がいましたが、その場の空気的には、その文句を言っている人がキモイ存在で、店員さんカワイソスってな感じです。例えそのお客様が至極もっともで正しいことを言っても、周りに与える感情が間違っていれば、その人は間違っているのです。理由?人間は感情の動物だからです。例えば法律に触れる行為でも、それが愛情溢れる感情に強く裏打ちされているなら、ついつい目を瞑ってしまう、そういう生き物です。どれだけ理性が発達しても、この感情に打ち勝つには非常に大きな力がいります。なので、映画やTV番組、音楽等はパワフルなツールです。

クレームを言う人は、仕事なので完璧主義でならなければならないとでも思っているのでしょうか?相手の対応に対して少しでも穴があれば、それは許せないことで、たたき潰してやる的な反応をとらないといけないのでしょうか?確かにビジネスにおいて完璧であることは大事です。しかし、人間はミスを犯す生き物です。なので、そこに対して意見の一つや二つも言いたくなるでしょうが、それで相手のモチベーションが下がってやる気を奪えば、その後の品質(物でもサービスでも)に影響が出ます。それは自分に跳ね返ってくるので、ミスした相手に偉そうに説教たれる行為ほど馬鹿げたことはありません。

そもそも人間というのは失敗した段階で、精神的によっぽどのショックを受けるのです。それだけで行動を改めるのには十分な脳の状態が作られます。そうやって学習するんです。自転車を乗る時に、1回転んだ子供を見て鬼のクビでもとったかのように「何で乗れないんだ!どうしようもない馬鹿だ!死んでしまえ!」なんていう親がいるなら、それを見た人はお前が死ね!と思うでしょう。笑わせてくれることに、これと同じことをする社会人は、自分の経験上、どの会社に行ってもすぐに見つけることが出来ます。

では、仕事ではお前が死ねと言う人があまり出て来ないのは何故でしょうか?それは叱られている会社の同僚は純粋無垢で自転車に乗ろうと努力している子供よりも可愛くないからでしょう。何の話かって?人間は感情の生き物と言う話です。

あなたが男性の場合、凄く綺麗な女性が困っているのを見たら助けたくなります。しかし、凄くブサイクで性格の悪そうな男が困っていたら、いいきみだって思います。むしろ、気持ち良さすら感じるでしょう。これが人間がいつまでたっても感情の動物たるゆえんです。

そして、誰かに向かって「お前はこんな仕事もできないのか、馬鹿な奴だ。」と言うことは、それによって相手より自分が上の立場であると認識出来、心地の良い行為になります。これが無意識で行われるようになると重傷です。嫌われる奴、まっしぐらです。こんな行動をとってはいけません。

しかしここで「お客様は神様です」といった前提があると、つい自分がお客様=神同然に扱われてしかるべき、というフザケタ考えに支配されるようになります。ですが、大日本帝国憲法を持ち出すまでもなく、我々国民は誰もが平等です。お客様になれば神?はぁ!?ってなもんです。会社の組織もそうですが、国民であるからにはこの最低限の原則:基本的人権を守った上で、始めてローカルルールの適用がなされるはずです。ローカルルールが基本的人権よりも先にあってはならないのです。内閣総理大臣でも天皇陛下でも、ましてや隣の家の奥さんも、すべての国民は一人につき一票の投票権しかないのです。総理大臣の一票はあなたの一票よりも10倍威力があるわけではないですし、逆もまた然りです。我々の国は一人一人の全く持って平等な権利によって動かすことが可能となっているのです。この大前提において、お客様は神様ですといったふざけた考えで行動することは言語道断。また、会社の役職や勤続年数で相手に態度を変える等といったことも同様です。

我々一人一人は平等


これが、どうしようもないほどの前提。

ちなみに自分がアメリカにいる時にお客様は神様的な考えが少し頭の隅にあったのですが、あのような人権を最重要視する国では、そういう考え方を持っているとこてんぱんにされるということを経験しました。彼等は図に乗った台詞を吐く人間に対しては、例え立場が客であろうとも「てめぇ、何様のつもりだ!」的なことを言って来ます。様々な人種が入り交じってのガチンコバトルな社会ですから、当然ですよね。なめられたら負け、という認識もありますし、万人が持つ平等な権利を命をかけて守り通そうとする気合いがあります。島国の中でのほほんと井の中の蛙で生活していると見えて来ないことだらけというか、人間的にもダメになってしまいますね。

まあとにかく、人間は平等であるという大前提を元に行動すべきです。

間違っても、お客様は神様のわけはありません。

0 件のコメント: