2009年3月12日木曜日

生命保険会社を無くせば日本経済は復活するのでは?

結論を先に言うと毎年18兆円の経済効果かも。


結論に至る経緯:
保険会社が存在しなければ、数多くあるややこしい保険商品について悩まなくて済み、かつ余計な出費を制限できるため、多くの消費者にとって嬉しい社会が実現できるのではないか?と思い、色々考えた結果上記の結論に至った経緯を書いてみる。


統計から
1世帯が1年間で支払っている保険料は平均で52.6万(生命保険文化センター/平成18年度)

らしいです。ちなみにWikipediaの世帯の記述によると平成17年度の世帯数は4906万3000らしいですので、仮にこちらを用いて18年度の平均保険料52.6万をかけて計算すると、年間保険に費やした家計の出費は25.8兆円となります。

全世帯が保険に入っているわけではないのでアレですが、と思っていたら前述の生命保険文化センターに全生保の世帯加入率が載っており平成18年度は87.5%とのことだったので、25.8兆円の87.5%で、22.5兆円としても、結構な金額ですね。


保険会社の利益

ここで保険会社はここからどれだけ利益を得ているか?についてですが、最近生命保険の原価を開示して話題になったライフネット生命では、会社の利益となる付加保険料は
死亡保険(定期)「かぞくへの保険」を例に挙げると、30歳男性、保険期間10年、保険金額3,000万円の場合、月額保険料3,484円のうち、815円(23%)が保険会社の運営経費に相当する付加保険料となっています。

とのことなので(デグチがWatch参照)、市場全体で考えると22.5兆円の23%は5.175=約5兆円の利益ですね。もっとも付加保険料は保険会社によって通常3~4割、酷い会社だと7割を超えるとかいう話ので、間とって約10兆円の年間利益が国内の保険市場全体で上がっていると見れば良いんじゃないでしょうか?

ちなみに、保険のプロに言わせると埼玉県民共済は非常に優秀らしいです。なので、国民の人口を約1.1億人とし、この人達全員を埼玉県民共済の月4000円コース(事故死:2000万円、病気死:800万円、一入院(事故:日額1万円、病気:日額9000円))に加入させたとすると、毎月の共済掛金は

1.1億人 x 4000円 = 4400億円です。

1年間では4400億円 x 12ヶ月 = 5兆2800億円。

はて?国民全員を共済に加入させても、保険会社の全体の利益(10兆円)よりも安くすむとな?しかも共済って共済金の支払いが少なく済んだ場合には毎年『払戻金:余った共済掛金を加入者に払い戻すお金』があるわけだから、上記の金額よりもさらに安くなるわけで、なんなのこれ?と思います。

なお、厳密に言うと先天的な病気を持った人、例えば生まれたときから糖尿病な人、とかってこうした一般の共済や保険には加入出来ないのですが、考え方や計算を簡単にするためにそういう細かい例外については考えないことにしております。

ちなみに共済の払戻率はどれくらいか気になったのでネットでしらべたところ、都民共済の払い戻し実績なんてのが見つかりました。これを見ると、多い時で昭和58年に39.57%、少ない時で平成4年に23.05%となっております。ここで硬く見積もって、毎年25%の払い戻しがあるとすると、実際には

5兆2800億円 x (100 - 25)% = 3兆9600億円

となり、つまりはこの金額で共済の保障は、運営に必要な事務経費その他もろもろ含めて、全部賄えている計算になります。

国民一人当たりの負担に計算し直すと毎月約3000円の負担ですね(うっほ、1000円割引ktkr)。

3000円 x 12ヶ月で36000円。
一世帯当たり4人家族と仮定すると年間で
3.6万円 x 4人 = 14.4万円。

平均保険料 52.6万円 vs 国民全共済 14.4万円

なんじゃこれ?


実際に支払ったらいくらくらい?

国立社会保障・人口問題研究所のデータによれば、2000年に死んだ国民は96万人。このうち20歳から59歳までの死亡人数は男女合わせて133,544人らしいです(こちらのデータを基に計算)。仮に死亡理由を問わず、133,544人に死亡共済金2000万円を支払うと、

133,544 x 2000万円 = 2.67兆円

となります。共済金の支払い割合と言うのは死亡6割に対し入院その他4割程度(都民共済の給付実績・給付内容についてのディスクロジャー内容(PDFファイル)の6ページにある生命共済 総合保障型給付金額参照)なので、この割合を用いて入院保障にかかる費用を計算すると1.78兆円。死亡保障にかかった費用と合わせると

2.67 + 1.78 = 4.45兆円となります。

3兆9600億円よりは多いですが、5兆2800億円よりは少なくて済みます。

なお、60歳を超えて死んでも、その人の家族はあまり生活には困らないでしょうから、その死亡共済金を払う必要性は少ないですし、また子供もいない独身の方が死んでも、これまた誰も困らないので、死亡共済金は要らないと見るべきでしょう。これは、自分のブログ記事である『ライフネット生命が別に安くないし、役にも立たない件について』に書いた内容を読んでもらうと分かりやすいかもです。なので、20~59歳の死亡に一律2000万払っても全体的に問題なければ、結構硬い見積もりだと思います。

保険について良く分からないと言う人は、自分に必要な保障について何が最適なのか?というのが分からないためセールスの言いなりになり、本来は必要の無い高い保険に入ってしまう場合もあります。こうした保険の分かりにくさが、生命保険会社の収入に繋がっているかと思うと、個人的にそれはちょっと違うんじゃないか?という気分になります。

一般的な家庭には共済程度の保障(死んだら2000万円)があれば、家庭内の働き手が急に死んでも、ある程度のライフイベント(子供の大学進学とか)は賄えることでしょう。最適解を求めるなら、個人個人の状況に合わせなければならないので、共済が最高とは言えませんが、100点満点で80~60点程度の点数を出している気分にはなれるのではないでしょうか?加えて保険と比較し掛金も安いですし、損は少なく思えます。なんせ

世帯平均保険料 52.6万円 vs 国民全共済 14.4万円

ですから。毎年52.6 - 14.4=38.2万円の節約。10年間で382万円。20年間で764万円、30年間では1146万円。


凄まじい経済効果

1146万円とかって、凄くない?世帯数4906万3000をかけると、30年間で562兆円の家計節約効果。数字が大きすぎて良くわかんないから、比較対照として東証の時価総額を持ち出すと、2009年2月27日の段階で250兆とかで。562兆円、、、市場全体の株の2.2倍ですか。バブル絶頂期の時の東証の時価総額は約600兆円だったらしく、そこから現在まで数多くの会社が上場したので同じ時価総額になっても株価が回復するとは限りませんが、現在の250兆円に562兆円足して時価総額が812兆円になるとしたら、日本の未来は明るいって思えて来ません?あと日本の株って外国人の売買が50~60%を占め、平成18年度では全体の約28%の株が外国人によって所有されていたとのことなので、国内だけで562兆円も株を買ったら、偉いこっちゃな経済効果が期待出来そうなものです。

fuck 定額給付金!

ちなみに上の計算で言うと、30年で562兆円ってことは、1年間で考えると18.73兆円ってことなんだけど、話題の定額給付金って費用総額2兆円らしいから、単純にその9倍の金額を年間にばら撒いている計算になる。しかも毎年。何これ?国のトップが考える経済政策を遥かに凌駕すんの?何これ?しかも国民全員に共済保障を追加した上で。何これ?


そんなわけで

保険会社ってそもそも必要あるの?国の共済に任せれば良いんじゃない?と思ってしまいます。今加入中の保険を全部止めて、国民一人頭4000円を徴収して国が社会保障を充実させれば、誰も保険会社に騙されたとか文句も言わなくなるし、いちいち保険について悩む時間やストレスからも開放されて良いこと尽くめなのではないでしょうか?

上記はあくまで個人的な意見ですのでご注意を

はいはい、机上の空論。妄想乙。あと、保険会社の社員はどうやって食って行くんじゃ!って思うんだけど、これについてはベーシックインカムとか導入しちゃえば?って内容の記事を上記の情報も含めて書いていたのですが、大きくなりすぎたので端折りました。つか、色々考えていたら妄想が膨らみすぎて手に負えなくなった。ぎゃふん。

2009/03/13 追記
ベーシックインカムが導入出来そう?って話を、こちらの記事に少し書いてみました。


生命保険会社が儲け主義なんじゃないか?ってのはライフネットの社長さんも感じていることのようです。


生命保険はだれのものか―消費者が知るべきこと、業界が正すべきこと

↑保険が悪と思ってんなら、そもそも保険屋すんなよ、ってところなんですが。昔取った杵柄で生保立ち上げて上場利益でウマーしたかっただけでしょ。まったく。

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