2009年3月25日水曜日

結局ライフネット生命が安くない件について

最近保険に関する計算を色々やってみて出た結論。

安いと言われるライフネット生命も比較計算してみると結局安くなかったかなと。

こういう記事を書くと一部の人々から誹謗中傷とか言われるんだけど、単に計算した結果を出しているだけなので。同じものが100円と200円で売られていたら、どっちが安い?みたいな話です。なので、こうした部分を今後改善出来るとライフネットは益々良くなるはずだから頑張ってね!的な情報として読んでもらえるとありがたい。ついで言えば、こういう記事を書くとライフネットより高いとされる他の生保は涙目でしょう。その辺もふまえつつ。

生命保険


では、詳しく見ていきましょう。


なんの為に保険に入るのか?

保険についての基本的な考え方は『ライフネット生命が別に安くないし、役にも立たない件について』って記事を参照にして欲しいのだけど、そちらの記事について光栄にもライフネット生命の副社長さんがまとめてくれた&同意してくれたのは以下のこと。
1. 子供一人につき2〜3千万円くらいの死亡保障は見積もっておきたい

2. (死亡保障の)掛金最安値を目指すなら・・・ライフネット生命の死亡保障に限る

3. 医療保険はライフネットよりも安い会社がある

4. でも、貯金が70万円以上ある人は、そもそも60日型の医療保険に入る意味がないと自分は考えている

これらについてはすべて賛成。 

2についてはプルデンシャルの方が安いなんて話もどこかで聞いたような?あとSBIアクサ生命も同条件で安いみたいってのはさておき、面白いのは上記の要点が保険の売り手側である(ライフネット生命の副社長さん)にも、同意出来ることとして受け入れられている点。また、自分の主張にもあった共済が良いと言うことについても同意を頂戴している。

で、さらに考えを推し進めて、生命保険と共済との掛金比較をやってみる。


ライフネット生命 vs 埼玉県民共済

ライフネット生命の副社長さん自身が
私も県民共済(特に埼玉県民共済さん)は大ファンで、目標としているので、埼玉に在住の方にはお薦めしてます。

と言っているので、そちらと比較してみる。



埼玉県民共済 (生命共済の保障)
・事故死亡:2000万円
・高度障害:2000万円〜48万円
・病気死亡:800万円
・事故入院:日額1万円(184日型)
・病気入院:日額9000円(184日型)
・手術:10〜2万円
・通院:日額3000円(14日以上の通院発生の場合)

掛金:4000円(15〜60歳まで共通掛金)


ライフネット生命 (死亡保険+医療保険)
・死亡一律:2000万円 (事故、病気問わず)30年定期型
・高度障害:なし
・入院:日額1万円(180日型:事故病気問わず)
・手術:なし(付けると掛金もプラス)
・通院:なし

掛金:5398円(男性20歳)、4292円(女性20歳)


ここで共済の方は病気死亡については800万円しか出ないので、不公平感が少なからずある。なので、ライフネット側で死亡を800万円にしたケースで掛金を出してみる。


ライフネット生命 (死亡保険+医療保険)
・死亡一律:800万円 (事故、病気問わず)30年定期型
・高度障害:なし
・入院:日額1万円(180日型:事故病気問わず)
・手術:なし(付けると掛金もプラス)
・通院:なし

掛金:3962円(男性20歳)、3486円(女性20歳)


ちょっと共済よりも安くなったけれど。ここで安易にライフネット安い!と思ってはいけない。



共済には返戻金がある

『生命保険会社を無くせば日本経済は復活するのでは?』という記事の中で、共済の返戻金の割合についての記載を参照にすれば、都民共済の場合、多い時で昭和58年に39.57%、少ない時で平成4年に23.05%となっている。なので、固く見積もって毎年25%は戻って来ると考えると、一月あたり

4000 x 0.25 = 1000円が戻ってくる計算になり、

4000 - 1000 = 3000円で毎月3000円の掛金で済むことになる。となると

共済:3000円
ライフネット:3962円(男性20歳)、3486円(女性20歳)

一月に962円違うとすると、年間で11,544円。
30年間で34万6320円の違い。女性の場合は17万4960円なので、夫婦だと合計:52万1280円節約出来ることになり、ちょっと豪華な海外旅行楽しめる金額。

共済安いね。

この金額で共済の方は事故死亡に2000万円出るから、かなり安さが際立つ。それに共済は高度障害に対しても最大2000万円出るので、体が動かなくなったのに死んではいないなんて場合にも保障が出るで、残された家族には嬉しい点でもある。そこから家族の介護が始まるとなると、少しでも貰えるお金は多い方が良い。

なお、ライフネット生命の死亡保険は30年定期なので、20歳で入ると50歳の時に更新しなければならなくなる。その時の掛金は

死亡 2000万円:11546円(男性50歳)、6106円(女性50歳)
死亡 800万円:4768円(男性50歳)、2592円(女性50歳)

となり、明らかに共済より分が悪い。つか、死亡保険の金額だけで、共済の死亡と医療を含めた総合保障の掛金4000円を超えてしまっている。それと、自動更新ではないはずなので、50歳までに何らかの病気や入院が発生していると、更新時に死亡保障に入れない恐れが出てくるので、これまた考えどころ。金額の増加と合わせて、この辺は加入者の人生設計と相談です。

50歳での更新ではなくて、30歳の時に30年の定期に切り替えれば良いんじゃないの?という考えもあるので、そちらで計算して見ると、死亡保険だけで

死亡 2000万円:4866円(男性30歳)、2932円(女性30歳)
死亡 800万円:2096円(男性30歳)、1322円(女性30歳)

これに20歳時から加入している終身の医療保険料を合わせると

死亡 2000万円:7622円(男性30歳)、5632円(女性30歳)
死亡 800万円:4852円(男性30歳)、4022円(女性30歳)

となります。50歳で急に月々の出費を増やしたくないと考えているなら、30歳時に切り替えを考慮するのもありでしょう。

ちなみに30歳時に死亡と医療保険の両方に加入した時は

死亡 2000万円:8612円(男性30歳)、6459円(女性30歳)
死亡 800万円:5842円(男性30歳)、4849円(女性30歳)

となるので、20歳から入っておく方が安くなるみたいですが、この金額になってくると共済に入れる人は共済の方が割安感は大きいかと思われます。まあ、そんなわけで安い保険の実現と言うのは難しいのかな?と。


生保は存在自体に問題が

生命保険会社は民間の企業であるため、どう頑張っても利益をあげなきゃならない都合上、その部分を掛金に上乗せせざるをえない。ライフネット生命さんでもこちらのページにあるように
* マネックスグループ株式会社 18.54%
* あすかDBJ投資事業有限責任組合 18.54%
* 三井物産株式会社 14.24%
* 株式会社新生銀行 9.64%
* 株式会社セブン&アイ・フィナンシャル・グループ 9.64%
* Farallon Capital Management, L.L.C. 4.94%
* 資産管理サービス信託銀行株式会社 4.94%
* 株式会社朝日ネット 4.94%
* 株式会社グロービス・キャピタル・パートナーズ 4.94%
* 株式会社リクルート 3.71%
* 株式会社東京大学エッジキャピタル 1.98%
* 三菱UFJキャピタル株式会社 1.48%
* 株式会社ドリームインキュベータ 0.50%
* 株式会社ジャフコ 0.50%
* 大和SMBCキャピタル株式会社 0.50%
* りそなキャピタル株式会社 0.50%
* ngi group株式会社 0.50%

という主要株主(上記の%の割合を合計すると100.03%になってしまうが)に利益還元を行わなければならないのでしょうし、そのお金はどこから?と言えば、当然加入者の掛金に上乗せされていると見るのが筋でしょう。っていうか、会社の持ち株比率ゼロで、デグチさんと岩瀬さんの会社運営に関わる発言権は大丈夫なんかな?と要らん心配をしてしまう。株主が利益主義に走ったら、止められないんじゃなかろうか?と。


その反対に、都道府県民共済は主要株主が加入者みたいなものなので、必要最低限な金額が確保出来れば残りは返戻金として毎年戻って来ます。なので共済がある日本という国において、民間の保険会社の存在と言うのは、消費者視点から見れば分が悪いかと。



生命保険会社は必要なのか?

個人的にはいっそのこと生命保険会社など全てなくし、国が社会保障を充実させて対応すれば良いかと思われます。前述した『生命保険会社を無くせば日本経済は復活するのでは?』という記事の中で計算した限りでは、国民全員から毎月4000円を徴収するだけで、上記の保障(死亡:2000万円、入院:日額1万円)を、20歳から60歳の保険が一番必要とされる世代の人々へ余すことなく提供してもお釣りが発生するようですので。

しかも、それにより毎月保険に支払っている金額(人によっては数万円)が節約出来るわけですから、尚更ですね。それを全国民に拡大すれば、その経済効果は実に18兆円とも見積もれるので、定額給付金の財源2兆円と比較しても、実に9倍の経済効果が期待出来ます。定額給付金は一人1万2000円ですから、夫婦で2万4000円。その9倍は21万6000円ですので、毎年この金額を貰えるのは嬉しいですね。4人家族なら43万2000円で、これまた豪華な旅行に行けそうな値段ですね。しかも毎年。

まあ、そんな自分の机上の空論による経済効果理論はさておき、安いといわれるライフネット生命と共済と比較をしてみると、もうちょっとライフネット生命に努力すれば良いのでは?と思える部分が見つかったりしちゃうので、そこが改善されないと殆どの人にとっては保険は共済で良いや!ってのが正直なところではないでしょうか。


まとめ

よーく考えよー、お金は大事だよー♪



オマケ
他民間保険会社掛金比較

終身医療保険(30歳男性)

ピーシーエー(120日型)
・入院日額:1万円
・手術:10、20、40万円
・掛金:3170円

ライフネット生命(60日型)
・入院日額:1万円
・手術:10万円
・掛金:3737円



死亡保険(30歳男性)

SBIアクサ生命(60歳まで)
・死亡保険:2000万円
・掛金:4720円

ライフネット生命(30年:60歳まで)
・死亡保険:2000万円
・掛金:4866円


生命保険はだれのものか―消費者が知るべきこと、業界が正すべきこと

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