松下幸之助さんは小学校を出た段階で働きに出され、今のパナソニックやナショナルブランドでお馴染みの松下電器産業を築き上げました。松下さんの義理の弟にあたる井植歳男(いうえ としお)さんが「中学校までいってしまった自分は、小学校を出てすぐに社会に出た幸之助さんには敵わない。国内には松下電器産業があるので勝負にならないから、海外へ行こう。」ということで海外を目指す意味から名前を三洋として、三洋電気を作ったと言われています。
はい、この時から学校で勉強すればする程、馬鹿になるという考えがきちんと世の中にはあったのです。少し前も「大学なんて行くと馬鹿になるぞ。」なんて台詞を聞いていた記憶があるのですが、最近は「大学に行かないと、良い会社に入れないよ。」などに置き換わってしまいました。本当に、皆さん大学に行かれて馬鹿になってしまったようです。
別に大学に行くのが悪いわけではないのですが、大学を出て成功している人の多くは、早い時期、つまり子供の頃から既にビジネスを経験している人々です。世界一のお金持ちといわれているBill Gates氏は有名ではなくともレアな選挙グッズを集めて通信販売で売ったり、高校に入ってからは交通量を計測するプログラムを作り販売したりしていましたし、世界一の投資家として知られるWarren Buffett氏は小学生の頃からコカコーラを仕入れて売ったり、新聞の勧誘と配達で大人顔負けの金額を稼いだと言われています。彼等は大学を出る前から社会で働くという至極当然な生存競争に早い段階で参加し、生きる上で必要な知識と経験を先に吸収していったのです。
若いうちに社会へ参加するのはとても有意義なことです。何故なら、失敗しても誰も責め立てないし、多くの場合、こうすれば良い、ああすれば良いと救いの手が頻繁にさし出されます。これが大学を出て社会に出ると罵られ、罵倒され、失敗したら人生の終わりのように扱われるのです。で、そういう失敗を責める文化を作ってしまったのは「大学に行くと馬鹿になるぞ」といわれていた世代です。泣けますね。
この社会というものには、大学入試の際に問われる問題に対するような正解はありません。すべてが行き当たりばったりで、昨日正解だった答えが、今日になると間違いに変わっています。なので、頭で考えるて分かっていると思っている人程、ビジネスでは成功がおぼつかないのです。
アインシュタイン博士がオックスフォードで教鞭をとっていたころ、学生の一人がやってきてこう言いました。「アインシュタイン博士、今年の期末テストの問題ですが、あれは昨年と一緒ではないですか?」
『ああ、そうだよ。』
「アインシュタイン博士、何故同じ問題を出してしまったのですか?今年の生徒にとって有利になってしまうじゃないですか!?」
『んー、問題ないと思うね。今は、あの問題の答えも変わっているから。』
現実の世界では常に答えは変わり続けます。何故なら人間の一人一人が今日と明日では持っている夢も目標も気分も、何もかもが異なっているからです。昨日通じていた常識が今日は変わり、明日にはもっと変わっているのです。こうした世界には早く参加した方が、より適応能力が養われるに決まっています。机上の空論を長々と勉強し続け、現実世界の経験を得られないでいることこそが、成功を遠ざける要因なのです。
なので、子供が出来たら中学校を出てからすぐにでも働かせた方が良いと思います。小学校でも新聞配達や、社会に参加出来る仕事があるなら、それを出来るだけ早い段階で経験させ、実際に自分でお金を稼ぎ、それを使うということを体験させるべきでしょう。どうやって稼げば良いのかを知っていれば、いじめによる強請も無くなるのではないかと思っています。社会に参加させ、お金を稼ぐ仕組みを体験してもらい、その価値を認識していれば人から金を奪うのがどんなに酷い行為か分かるようなものですが、そういう経験が無いと、罪悪感も希薄になり酷い行為へと発展する確率も高いことでしょう。
こうした当たり前のことを、なるべく早く経験させるからこそ、将来の成功が確立されるのではないかと思います。
昔の人は学校などに行くと馬鹿になると言っていたのは、かなり真実に近い発言だったものだと気づかされる次第です。
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