さて、ジム・ロジャーズ氏の作った商品指数ですが、こちらはジム・ロジャーズ国際商品指数(RICI:Rogers International Commodity Index)と呼ばれています。1998年の7月31日の商品市場の平均を1000.00とし、そこから商品市場全体の値動きを平均値として出しています。そして、およそ10年後となる2008年6月27日の時点でこちらの指標は5,762.17です。1000から約6000への増加ですので、単純比較で約6倍ですね。10年前に100万円を商品市場へ投資して放っておくだけで、現在600万円になっているというわけです。(参照:最初の指標、最近の指標)
恐ろしいことに、歴史的統計から見ても、この商品相場が上昇を始めるとかなり長いことをそのトレンドを維持する。20世紀に起きた商品相場の上昇機関は3回有り、それぞれ1906〜1923年、1933〜1953年、1968〜1982年で、平均17年間上昇が続いている。
お気づきの通り現在商品相場は10年目の上昇中の中にあり、平均的に考えれば後7年も上昇が続くこととなる。今のガソリンの値段が高いと不満を持っている方は、あと7年も同じ不満を口にすることになるのだ。今のうちは文句を言わない方が疲れないで済む。
さて、何故商品市場がこんな17年にも渡って上昇を続けるのか?という点だが、簡単な説明をしてしまえば、例えば油田を見つけてもすぐにはそこから石油が採れないためだ。新しい油田を見つけたら、そこに採掘施設を建てて稼働させるために通常数年を要する。辺鄙な場所にあれば、パイプラインの建設等を合わせ、それなりに時間がかかるのだ。建設も黙って出来るものではなく、通常はその場所を統治する政府の許可がいるわけで、何もかもがスムーズに行くわけではない。また、折角建設が上手く行っても、その頃には相場が下火になり思ったほどには利益が出ないとなれば、当然開発を行なう企業は尻込みをする。誰だって損はしたくないのだ。
一方で商品市場の上昇を黙って見ていると、株価は偉いことになる。そもそも原材料の値段が上がれば、それに伴い製品の値段を上げないと利益が圧迫される。利益が圧迫されれば、それだけ企業の株価も下がる。商品市場の値上がりを他所に、企業の株価はどんどん下落する。これは値上げの圧力に抵抗しがちな日本国内の企業にとっても大きな問題となるだろう。というのも原材料が上がり続ける中で工程の見直しや、昼休みは電気を消すといった省エネ、社内の無駄な資源の消費のカイゼン等を通じ、削れるところを削った上、最後には従業員の給料に手をつけるのが国内企業だ。リストラするくらいだったら、給料はちょっと減らすけど、全員に頑張ってもらいたいというのは聞こえは良いが、一歩会社の外に出れば値上げされたガソリン代や食料価格が待っているのだ。減った給料で一体どうしろと?と思うだろう。
一方でお隣の中国では、この辺の問題は少ない。というのも
中国企業は原材料の仕入れ価格が上昇すれば、
何の躊躇もなく、そのコスト上昇分を
販売価格に転嫁する
場合が多いから。もっともこれは過剰なインフレをもたらすので、政府としては頭の痛い話なのでしょうが。しかし、投資する方としては全体の値段が上がれば、物価もつられて上がり、さらに企業の業績も伸びる中で現在株価が下落しているというのは、本来株価が物価のインフレとともに上昇するにも関わらず、それが逆に下がっていると言う見方も出来るので、なんだか爆発を抱えた活火山にしか見えないのですけど、どんなんでしょうね?世界的に株価が下がっている中で、株を買い支えるというのは勇気が要りますが、今後の中国は凄そうですね。
商品投資に話を戻しましょう。このRICIに連動した投資をしたい人にお勧めな信託があります。それがこちらの『商品新時代』です。これはRICIの指数と同様の値動きがするように作られた投資信託で、10万円から投資可能なものです。今後暫くの商品相場上昇が期待出来る中で、自分も商品市場に投資したい!と思っている方にはお勧めな投資先です。
ちなみに10年前から商品相場の上昇を予測したJim Rogers氏、最近出した本のタイトルは"Bull in China(強気の中国)"です。つまり、中国の株価は強気にどんどん上昇して行くと言う内容ですね。まだ、翻訳本は出ていませんが、タイトルからでも次の投資先が伺い知れるというものです。と思ったら、翻訳本が発売になっていました。
ジム・ロジャーズ中国の時代
一方で後7年も続くと見られる商品市場の知識も付けておくと無難ですので、興味がある方はぜひJimさんの本を読んでみてください。
大投資家ジム・ロジャーズが語る商品の時代
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