2008年6月19日木曜日

ライフネット生命が酷すぎる件について

ネットオンリーで保険の価格破壊を目指すライフネット生命

見積もりを出すと確かにかなり安いのだけど、これが役に立つ保険かと言うと疑問。

理由:保険は自分が出せない出費に備えるもの

一番の落とし穴は1入院60日型の保険であること。これは、病気にかかり入院する場合、その症状での入院は最大60日までしか補償されないと言うこと。例えば仮にガンになって60日入院後退院するとする。そして一ヵ月後にガンが再発して入院した場合、この入院で保険金は出ない。約款を良く読めば分かるが、60日入院後、同一の症状で入院する場合は間に180日以上空けないと保障されないことになっている。つまり、半年は同じ病気で再入院出来ないってこと。これが最大の落とし穴。

60日しか保障されないのなら、入院一日につき1万円の保障と考えても、60万円貯金があれば済んでしまうことになる。言い変えれば、銀行に60万円以上現金預金がある人は、こんな保険いくら安くても入る価値がないってことだ。

同じ理由で安い安いとCMを流しているアリコやその他の60日型保険についても同様のことが言える。手術給付金などが40万円とかついていても、60 + 40 で 100万円貯金があれば済んでしまう。


本当に必要な保障って何?

保険は自分が支払うことが出来ないリスクに備えるものです。それはどんなリスクでしょうか?
答えは、死ぬに死ねず、いつまでも寝たきりになってしまうリスクです。事故などで一瞬で死んでしまうのは、ある意味とても運が良いです。というのも死亡保険は一気に多額の支払いが得られるからです。しかし、運悪く助かったとして、一生植物状態で病院のベッドに寝たきりになってしまったらどうでしょうか?入院日数は1年、2年と続きます。会社もクビになるでしょうし、家族の負担にも大きくのしかかります。一日につき1万円の出費と考えると、1年間で365万円、2年間で730万円です。お金のかかる手術などを行えば、さらに負担増です。そうなると1000万円程度の出費になりますね。

こんな状態になった際、貯金が1000万円あればいいのですけど、普通の家庭では1000万円貯金している人は殆どいません。ここがリスクとなるわけです。

こうした自分が陥ると困るリスクに備えられる保険には価値があります。逆に、自分が対応可能なリスクに対しても保険をかけ、余計な掛金を払ってしまうのは愚の骨頂です。


まとめ

見た目の安さではなく、自分が陥ると困るリスクをしっかりと認識した上で保険には入りましょう。

1日あたりの給付金 x 1入院の最大保障日数 = X 万円
(例)1入院1万円で、1入院180日保証の場合、
1万円 x 180日 = 180万円

を計算し、X万円の貯金が既にある場合は、そのような保険を解約しましょう。掛金を払う意味ないので。そして、自分が支払うことが出来ないリスクに備える保険に入りましょう。


ライフネットはせっかく安く保険を出せる仕組みを作ったのだから、もっとリスクに備えられる商品を作るべきだったんだよね。これじゃあCMがウザイ、あのアリコと変わりません。

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