2008年1月3日木曜日

ハードが売れないなら、ソフトを売ればいいじゃない

アメリカの産業が力を失い、かつては世界一だった自動車会社も日本の企業によって、その座を奪われ始めています。アメリカの製品は売れなくなったので、アメリカは外へお金を放出する(つまり輸入品を買う)ことはあっても、自国の製品を売る(他の国がアメリカの製品を輸入する)ことは減っています。こうなると、世界の基軸通貨国であるアメリカがドルをどんどん印刷し、どんどん印刷されたドルがそれぞれの国に入って来ると、それぞれの国はそれを銀行にしまい込み、その分の通貨を発行します。そして、世界中にドルが溢れ、世界中の通貨もそれに応じて増殖に次ぐ増殖を重ねます。こうして全世界のお金の量は増えていくわけです。なので、刻一刻とその価値は減少していると言えるでしょう。お金を何もせずに銀行に置いておくだけでは、その価値は減ることはありますが、増えることはありません。

では、アメリカの製品を誰もが買わなくなるかというと、そうではありません。例えば、こうしてインターネットにアクセスしているPCの中にはMicrosoft社製のWindowsが動いております。iPodのような記録的に売れている携帯音楽機器もアメリカの製品です。しかし、製造はアジア地域で行なっているので、アメリカ自体製品を作ることはやめているように見えます。売っているのは、方法、つまりアイディアです。

実はこうしたアイディアだけを売ると言うアメリカのソフトウェア産業はとても巨大なものです。例えば、全世界にマクドナルドがあります。低価格でハンバーガーを作り、売るサービスです。その作業はマニュアル化され、高校生のバイトだけでも店が運営出来ます。このアイディアが莫大なお金を生み出しています。

ディズニーランドがあります。来場者の70%以上がリピーターと言う驚異的なテーマパークです。こちらも東京ではオリエンタルランドという会社がアメリカからマニュアルを導入し、その売上をアメリカに提供する形で運営されています。

ホテル産業もサービスと言う名のソフトウェアを輸入しています。例えば、東京の新宿にあるパークハイアットは東京ガスが所有する土地と建物にホテルを造り、その運営をハイアットグループへ委託する形をとっています。江戸川橋にあるフォーシーズンズ椿山荘は、藤田観光の所有する土地と建物をフォーシーズンズグループへ運営を委託しております。運営を委託されたホテルブランドは、売上から契約に基づくパーセンテージによって利益を得ることが出来ます。

こうして、様々な国々がアメリカからサービスを輸入し、莫大なお金をアメリカへと還元していることになっています。サービスの良いところは形を持たないため、在庫不足になることはなく、また仕入れ値もかかりません。契約を結べば結ぶ程、一定の利益を生み出し続ける優れたビジネスとなるわけです。アメリカのこうした形の見えない輸出品は、かなりの金額のドルを国内へ戻す役割を担っています。

製造業というのは物を作り出すのにかかるお金によって利益が左右されます。日本で作ると人件費が一人毎時1000円かかるところを、中国やベトナムで毎時100円で出来るとしたら、そちらで作って全世界へ供給させた方が利益が出るのです。ですので、大国だったアメリカは製造を諦め、それらをマニュアル化したソフトウェアを販売することで生き残りをするようになりました。製品の作り方を示し、それを受けた側がハードウェア(工場と人)を動かし、製品を完成させ、それを売ることによって利益を生み出す形です。アイディアだけで富を生み出しているようなものです。

多くの人々が毎日仕事に行き、働き、いつか金銭的に自由になって働かずにすむような日が来ることを願っています。定年を迎えれば年金を貰って快適に暮らせることを夢見ています。ところが、実際はそうはならず、収入が途絶えてしまったらどうしよう?という不安で自由を奪われているわけです。

「お金がすべてじゃない」

という人がいます。しかし、そう言いながらも明日仕事に行くのをやめるか?というと、そうではありません。お金がすべてじゃないと言うなら、お金を稼ぐことを辞められるはずなのですが、そう言う人に限って仕事を辞めることは出来ないのです。これは行動が矛盾しています。

では、1億円あれば仕事を辞めれるか?10億円なら?100億円なら?1兆円なら?と考えても答えは一つ。お金がいくら増えても、お金を失う恐怖から逃れることは出来ません。仮に資産が100億円あっても、ある日、なんらかの不運が重なって、それが一瞬で消え去ってしまったらどうしよう?という不安はついて回るのです。

実はこの不安から自由になる方法があります。それが世に多くの億万長者を誕生させて来た方法でもあります。その方法は実はとても簡単なことです。

それはお金を生み出すアイディアを考える能力を磨くことです。

マクドナルド等のフランチャイズやディズニーやホテルなどのサービス業、iPodのような製品に至るまで、優れたアイディアを生み出すことによって、お金は勝手に湧き上がって来ます。そして、これらのアイディアを生み出すことが出来る脳を持つことによって、いついかなる時でも、例えある日全財産が消えてなくなっていた時でも、次の日から、また同じようにお金が湧き上がって来るのです。

アイディアを生み出せる脳と言う体の器官が、無から有を、何もないところから価値を作り出すことの出来る最高の資産となるわけです。そしてこうした資産を持つことによって、お金を失う不安から解放され、本当の自由を得ることが出来ます。



金持ち父さん貧乏父さん

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