農産物が値上がりしている状況があると、じゃあ増産すれば良いじゃんって話になるのですが、すぐに生産量が増やせる農産物とそうでないものがあります。まあ、米とか小麦とかは蒔けば1年で(もしくは年に2~3回以上も)作れるのですが、それらを蒔く土地が急に増えるかと言うと、そうではありません。バイオ燃料の需要が増えたせいもあり、熱帯雨林を破壊してサトウキビ畑にしたり、大豆畑を潰してトウモロコシ畑にしたりと言ったことも行われております。そうすると一方で供給が増える作物もあれば、一方で減る作物もあるのです。しかしながら、地球全体の人口は増加傾向にあり、胃袋の数が増えれば消費量は増えます。本来は食べるために作られていた農産物が、ある日、エネルギーとして使われるようになり、胃袋に入らなくなれば、当然その不足分を補う必要があります。しかし、その頃には必要な土地の面積は確保されていないと言うことになるわけです。
この辺の需給バランスが見直されない限りは、農産物の価格は上昇を続けることでしょう。そして、ある一定の値段のラインを超えると農産物生産は儲かると判断する人々がこぞって押し寄せ、それが生産量を大幅に上昇させ、供給を過剰にし、今度は価格の暴落が始まるわけです。これは早くとも2013年、遅くとも2022年頃という話が出ております。もちろん短期的にも浮き沈みはありますが、過去の歴史を通じて得られた見通しから考えるに、物の値段はしばらく上昇を続けそうです。
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