2007年4月14日土曜日

保険は数千万円のお買い物

asahi.com:生保不払いの恐れ、公表12社の合計100万件超

最近、保険会社の不払い問題が毎日のように出ている。日本では殆どの人が保険に加入している。実に国民の90%以上が、なんらかの保険に入っていることになっているし、そのマーケットは60兆円市場だ。さて、世界レベルでどの程度のマーケット規模か?というと、実は100兆円。世界の市場のうち6割が日本の保険市場によって賄われている。

ただ、日本は世界最高の長寿国家。平均寿命も群を抜いて高い。それにもかかわらず、保険料は全世界でもNo.1。これはどう考えてもおかしな話。どこかにからくりがあるんじゃ?と考えたくなります。

実際、保険の掛金をどの程度支払うのか計算していくと恐ろしいことになる。2000万円程度の死亡保障+入院保険を30年間掛金を支払い続けると500万円を超えるし、そこに介護やら高度障害やらの特約をつけるとさらに金額は増える。夫婦で払うとしたら簡単に1,000万円を超える金額になるし、死亡保障を増やしたり、車を乗る人だったら損保にも入る。最近流行の年金保険などにも加入すれば支払う保険金は数千万円にあっさり及ぶ。こんな馬鹿げた金を払った挙句、いざ問題が起こった時には、保険会社の利益優先体制により、消費者は不払いを受け馬鹿を見ます。

なので、自分のお金が大切だと思うなら保険について詳しく調べたほうが良いでしょう。下手に特約がいっぱいついて売られている保険には要注意です。何故ならその複雑さ故、保険会社ですら何が支払い対象で何がそうじゃないのか分からなくなって不払いを大量生産しているのですから。より単純で掛金の安く済む保険を選んだ方が身のためです。

最近、自分の友人達も子供が出来る人が多い年頃ですので、アドバイスを一つするとしたら、学資保険には絶対に入らないほうが良いです。何故なら、自分で同じ金額を毎月貯金して、今だったらアジア系のファンドに積み立てていった方が、遥かに多くの金額を子供のために残せるからです。最終的に貯まる金額に数百万円の違いが生まれることでしょう。

保険会社がやっていることは、消費者の人々から掛金という名目で大量のお金を非課税で集め、それを自分達で運用し利益を得ることです。その利益は加入者へ支払われること無く、保険会社の重役達に高給として支払われます。消費者のことを考えているならば、日本の保険の掛金は世界でも類を見ないほどに安くなっていないとおかしいのですが、実際はアメリカやヨーロッパの実に2、3倍以上の掛金を支払わされている計算になっています。

これらの日本の保険会社はバブル期に大量の不動産を取得し、バブルがはじけて資産価値が半分以下になりました。当然、土地の価格が上がり続けるものと信じられて投資に使われたお金が半分以下になったわけですから、会社的には大打撃です。利益を出そうにも、借金などにより損失が増える体質になってしまいました。それらの痛手を負わされているのは今保険に加入している人々です。そもそもソルベンシーマージンと言う保険会社が大規模災害が起こった際に加入者へ保険金を支払える能力があるかどうかを見極める指数において、各保険会社は極めて高い数値を持っているにもかかわらず、保険金の不払いを行い、自分達の利益を増やそうとしています。しかも、組織ぐるみでやっている会社もあるとのことです。最近になって土地の値段も回復し、ようやくバブルの痛みから解放される傾向にありますが、不払い問題は日を追うごとに次から次と見つかっている状態です。

いざっていう時のために高いお金を支払っている保険会社なのに、その体質はとても信頼性があるとは呼べないものが多い状態です。自分の人生の危機的状況のために、多額の金額を払い備える保険と言う商品なのですから、消費者はより賢い選択をし、市場の競争原理を促し、各社が競って素晴らしい商品を作れる環境を作り上げるべきでしょう。何も分からずに保険のセールスに言われたまま加入してしまうような、馬鹿げた行動をとってはいけません。そして、もしあなたが何も分からずに保険に入っている状態だとしたら、今すぐ解約して良く考えた上で再度自分にあった保障にお金を払うことをお勧めします。数千万円をドブに捨てたくないと思っているなら、すぐにでも行動してください。

普通に考えれば、消費者から集めた金で有名芸能人を起用してCMをつくり、全国ネット放映する広告料を払うことで、どうやって加入者達が安心を手に入れられるのかわかりません。そんなお金があるのでしたら、そもそも不払いなんて起きないものだと思いませんか?

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